令和3年株主総会想定問答Q&A

~コロナ禍の状況を踏まえて~

 弁護士 中村 直人
 弁護士 後藤 晃輔

( 14頁)

本稿では,本年の株主総会でトピックとなる問題について,想定される質問とその回答例を掲載する。回答は各社の状況によって決まるものであって,本稿の回答例はあくまでも参考事例に過ぎないことには留意されたい。

1 コロナ禍の新中期経営計画

質問例令和4(2022)年3月期を初年度とする新中期経営計画が発表されたが,このコロナ禍の状況において達成可能なのか。回答例令和3(2021)年3月期を最終年度とする中期経営計画についてはコロナ禍の影響もあり達成することができませんでした。このたび,コロナ禍の状況も踏まえ,令和4(2022)年3月期から令和6(2024)年3月期までの新中期経営計画を発表しました。その概要については,お手許の招集通知(事業報告の「対処すべき課題」)に記載のとおりですが,ポイントを説明しますと,営業利益率○%,ROE○%,3年間の設備投資額の合計○億円,配当性向○%の達成を目標としています。当社は,コロナ禍の厳しい事業環境にありますが,○カンパニーを目指し,企業価値の持続的な拡大に向けて,さらなる進化に挑戦して参ります。今後とも株主の皆様の一層のご支援,ご鞭撻を賜りますようお願い申...