INTERVIEW バーチャル総会へ向けた取組み~出席型実施会社に聞く 第1回 株式会社ガーラ 取締役CFO 岡本 到 氏
<編集部より> 株主総会の開催形式が見直されている。新型コロナウイルスの感染拡大も重なり,物理的な会場を設けるリアル総会から,オンライン中継を併用する「ハイブリッド」な形で実施する事例が増えている。ただ,法的な位置づけやシステム面,株主との対話といった課題があり,どのようにクリアしていくかがポイントになる( No.3508・10頁 に関連特集)。そこで本誌は,実際にハイブリッド出席型を実施した企業にインタビューを行い,導入までの過程や対処など,運営に関する実務のヒントを聞く。今後の「バーチャルオンリー」に向けた論点も確認する。 第1回はスマートフォンアプリ事業などを手掛ける株式会社ガーラ。「Zoom」を用いた総会運営について話を聞いた。 |
1.「株主権を制限しない」
―御社は昨年からハイブリッド出席型の株主総会を開催されています。導入の経緯を教えてください。
昨年3月頃から日本でも新型コロナウイルスの感染が広がり,東京都からも不要不急の外出を控える旨の要請がありました。当社もテレワークの導入や時差出勤を行い,人との接触による感染防止に気を使ってきました。
そんな中,株式会社ガイアックスさんが昨年,ビデオ会議システムの「Zoom」を使ってオンラインによる株主総会を開催したとの話を聞き ① ,当社も感染拡大防止の観点から,Zoomを利用して株主総会を開催する検討を開始しました。
当初は他社の事例が少なかったですが,経済産業省の「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」なども確認し,顧問弁護士に法的な部分を相談しながら手探りで進めていきました。
―初めての試みとのことで,苦労も多かったのではないでしょうか。
そうですね。今でこそZoomが普及し普通にオンライン会議をするようになりましたが,当社は昨年の段階で使用しておらず,契約プランの検討,使用方法,設定など,すべて一から調べて進めていく必要がありました。
―実際の運営にあたり,どのような点を検討していきましたか。
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岡本 到 氏
株式会社ガーラ 取締役CFO。 2007年5月公認会計士登録,2008年4月新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所,コンサルティング会社を経て2020年6月より現職。 |
まず,質問や議決権行使などは株主権に関わるので,基本的に制限をすべきではないと考えました。そこで,オンライン出席...
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