東証 コーポレートガバナンス・コードを改訂

意見に対し開示の方向性の見解示す
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東京証券取引所は6月11日,コーポレートガバナンス・コード(CGコード)を改訂し,公表した。取締役会の機能発揮,サステナビリティを巡る課題への対応などが主な変更点。新市場区分を見据え,プライム市場の企業に対しては一層のガバナンス強化を求めている。寄せられた意見は概ね改訂案の方向性に賛成するものだったが,サステナビリティに関する開示の質と量の向上を求める声もあった。

プライム市場には一段高い要求

CGコードは2018年以来,3年ぶりの改訂となった。

内容としては,近年話題となったサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)を巡る取組みへの具体的な対応が追加された。補充原則2‐3①では,気候変動,人権の尊重,労働環境への配慮,自然災害への危機管理などについて「リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題」と認識し,積極的に取り組むことを求めている。

特に新市場区分におけるプライム市場の企業には,一段高い要求を行っている。例えば以下のような記載がある。

<補充原則3‐1③> 上場会社は,経営戦略の開示に当たって,自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示すべきである。(...