野瀬公認会計士事務所　代表　野瀬　大樹

【編集部より】 監査法人以外の場で活躍する公認会計士の方々に，これまでのキャリアや今の働き方などについて聞く本コーナー。今回はインド・ニューデリーにコンサルティング会社を設立し，日系企業の支援を行うほか，会計や税務に関する本を多数出版する野瀬大樹氏に話を聞いた。

─会計士を目指したきっかけを教えてください。

もともと商売屋の次男だったこともあり，将来は何かしらの自営業になりたいとは思っていました。大学では経済学部でしたので，関連する国家資格で一番難しいが独立も可能な公認会計士の資格にチャレンジしてみようと考えたことがきっかけです。加えて私が大学に入学した1996年は不景気でしたので，やはり手に職をつけないといけないという危機感があったのも理由の一つです。

─独立されるまでの経緯を教えてください。

私は受験生時代が長かったこともあり，監査法人入所後は「これで働ける！」との思いが強く，長時間労働でも楽しく働いていました。基本的に法定監査をしていたのですが東京と京都で合計７年ほど働いたくらいのころ，ふと漠然と「この先５年経っても今と全く同じ仕事をしているんだろうな」という考えが頭をよぎりました。専門職...