IFRS財団 サステナビリティ報告基準づくりに向けてWGを組成

IIRCとSASBも正式に統合
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サステナビリティ報告基準に関して,この6月もいくつか動きが見られた。かねてから統合を公表していた国際統合報告評議会(IIRC)とサステナビリティ会計基準審議会(SASB)は6月9日に正式に統合し,「価値報告財団」(Value Reporting Foundation:VRF)を設立。今後は「統合思考の原則」,「統合報告フレームワーク」,「SASB基準」の3つのツールを提供する。また,IFRS財団も6月21日に「技術的準備のワーキンググループ」(TRWG)の組成を公表。6月9日までに既に3回の会合(戦略会議)を開催しており,11月のCOP26を目指して検討をしていく。

VRFは「3つのツール」を提示

VRFは,「価値報告審議会」が全体のガバナンスを担い,独立した2つの「統合報告フレームワーク審議会」,「SASB基準審議会」がそれぞれフレームワーク・基準の開発・修正などを行うという組織構造をとる。施策として提示されているのは以下の「3つのツール」だ。

・統合思考の原則:経営者が計画や意思決定をする際のガイドとなるもの。組織が使用し,影響する資源と関係について,そして価値を創造する際に生じるそれら...