国際会計士倫理基準審議会(IESBA) 「倫理規程における報酬に関連する規定の改訂」の解説
国際会計士倫理基準審議会 テクニカル・アドバイザー 山田 雅弘
1.はじめに
2021年4月28日に,国際会計士倫理基準審議会(International Ethics Standards Board for Accountants:IESBA)から,「倫理規程における報酬に関連する規定の改訂」 ① が公表された。本規定の改訂は,監査人の独立性を強化するために,報酬に関する規定の改善を図るものである。
本規定の改訂が日本に導入された場合には相応の影響が予想されることから,本稿では,当該改訂の内容及び日本に導入された場合の影響について解説する。
2.改訂の背景
今回の改訂は,規制当局や公益監視委員会(PIOB) ② からの要請により,2015年7月から検討が開始されたものである。規制当局等からは,監査人の独立性を確保する観点から,IESBA倫理規程における報酬関連の規定に改善が必要との懸念が提起されていた。
こうした懸念を受け,IESBAは,報酬に関連する問題を検討するために,ワーキング・グループを設置し,各国の報酬規定の調査やアウトリーチ,学術研究等のレビュー等を行い,規定の改訂について検討を進めてきた。そして,2020年1月にIESBAが公表した公開草案に対して6...
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