監視委 社外者によるインサイダー取引が増加

プライベートな場での情報漏洩が散見
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証券取引等監視委員会(SESC)は6月24日,「金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~(令和2年度版)」を公表した。監視委が本年度に行ったインサイダー取引に関連する勧告(8件)は全て,知人や会社関係者等,社外者によるものだった。インサイダー情報はプライベートな場で伝達されるケースもあり注意が必要だ。このほか本事例集では,相場操縦行為への勧告を行った事例も紹介している。

課徴金勧告件数は14件

監視委は,平成17年4月の課徴金制度導入以降,金融商品取引法違反となる不公正取引に関し課徴金納付命令の勧告を行った事案の概要を取りまとめ,事例として公表している。本年度は,令和2年4月1日~令和3年3月31日に法令違反が認められたものについて14件の勧告を行った(インサイダー取引8件・相場操縦行為6件)。インサイダー取引における課徴金勧告事案の特徴は以下の通り。

・上場会社の内部情報を知得できる立場にあったことを悪用し,インサイダー取引規制違反が繰り返し行われた事案を勧告

・複数の伝達ルートが認められた事案を勧告

インサイダー取引に該当する違反行為者8名の内訳は,会社関係者等が3名(契約締結者等...