KAMへのXBRLタグ付けミスの状況②

本誌調査 「連結と同一内容である旨」はタグ付けにバラツキも
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2021年3月期から監査報告書において「監査上の主要な検討事項」(KAM)が記載されるのに伴い,EDINETで提出する監査報告書にはKAMに対応したXBRLタグを付けることになった。前号では発生しているタグ付けミスの典型例を検証した。今回は「KAMに関するタグが全く付いていない例」と「ミスとは言い切れない例=当初想定していなかったタグ付けパターン」を確認する。後者は今後の整理・統一,改善が期待されるものである。

タグが全く付いていない例

タグが全く付いていない例とは,KAMに対応するタグが一つも付けられていないものである。これには2つのケースが考えられる。

一つは,連結決算会社で個別財務諸表の監査報告書のKAMに関するタグが一つも付いていないケースだ。これに該当する会社の場合,連結財務諸表の監査報告書のKAMに関するタグは付けられており,タグ付けが行われていないのは個別だけである。その個別のKAMには「連結と同内容であるため記載を省略」あるいは「記載すべきKAMはない」とされている。よって,タグの付け忘れと見られるが,「連結と同内容の記載」又は「KAM自体がない」場合のいずれであってもタグが...