JICPA 一体開示に関する研究報告を公表

監査報告書の留意事項や文例示す
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日本公認会計士協会(JICPA,手塚正彦会長)は,監査・保証実務委員会研究報告第35号「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」を8月19日付けで公表している。一体書類として作成された「有価証券報告書兼事業報告書」に含まれる財務諸表に対する監査報告書の留意事項や文例を取りまとめている。

適用される財務報告の枠組みの考え方を整理

「一体開示に関する研究報告」の公表に当たっては,2度にわたり公開草案を公表し,意見を募集していた。一体開示とは,有価証券報告書および事業報告等を一体の書類として同時に開示すること。一体書類は,金融商品取引法および会社法の両方の要請を満たすものをいい,事業報告等として株主総会に報告するとともに,有価証券報告書として提出することも可能だ。

ただし,この一体書類に対して監査を行う場合,財務報告の枠組みの組合せについての解釈が以下の2つに分かれている。

①2つの財務報告(金商法と会社法のそれぞれの財務報告)の枠組みの同時適用

②単一の財務報告(金商法と会社法の財務報告の枠組みを組み合わせて策定された財務報告)の枠組みの適用

そこで,...