JICPA 訂正報告書の財務諸表監査に関する実務指針を策定

訂正箇所だけではなく財務諸表全体を監査
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日本公認会計士協会(JICPA,手塚正彦会長)は,監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」を8月26日に公表している。第103号では,訂正後の財務諸表に対する監査は,訂正箇所の検証だけではなく財務諸表全体に対して実施する必要があることや,訂正前の財務諸表に対する監査に適用される監査基準(四半期レビュー基準等も含む)を適用すること等を示している。適用は,2022年1月1日以後に監査報告書を発行する訂正後の財務諸表に対する監査から。ただし,2021年12月31日以前に監査契約が締結された訂正後の財務諸表に対する監査については,適用しないことも認める。

監査基準改訂や訂正の状況等を踏まえ策定

不適切な会計処理を原因として訂正報告書が提出され,財務諸表の監査が実施される場合の留意事項等について,JICPAでは,監査・保証実務委員会研究報告第28号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査上の留意事項について」(2013年7月)等を公表している。

これらの公表から7年以上が経過し,昨今の監査基準等の改訂や訂正の状況なども踏まえ,監査の実施に...