<インタビュー>監査に関する品質管理基準の改訂案について

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企業会計審議会 監査部会長 堀江 正之

<編集部より>  金融庁・企業会計審議会は6月30日,「監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」を公表し,監査事務所による監査の品質管理の見直しを提案した。主な改訂内容は,国際品質マネジメント基準等を踏まえたもの。品質管理の方針等を運用する従来の方法から,より積極的に品質管理上のリスクを捉えて対処し,品質管理体制を改善していく方法へ転換する方向だ。本誌はこの度,企業会計審議会監査部会の部会長である堀江正之氏にインタビューを実施。公開草案のポイント等について話を聞いた。

1.品質管理基準改訂の背景・経緯

――今回の品質管理基準改訂の背景と経緯をお聞かせください。

改訂基準案の前文にも記載されている通り,監査の品質管理に係る国際基準がその基本的な考え方に変更を加える改訂を行なったことから我が国の基準としても整合性をとっておく必要があること,そして本基準が制定されてから15年以上が経過しており監査業務や監査事務所を巡る環境が大きく変わってきていることが指摘できます。

また,公認会計士・監査審査会の検査で,監査事務所のガバナンスなど,組織運営に関する根本...