IASB のれんの事後処理の暫定決定は延期の見込み

追加的な分析を求める声受け
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国際会計基準審議会(IASB)では,2015年2月から「のれんおよび減損」プロジェクトを開始し,2020年3月には協議文書(DP)「企業結合―開示,のれんおよび減損」を公表した( No.3451・6頁 )。当該DPには「のれんの償却を再導入するか否か」との論点が含まれており,日本からの関心も高い。長い議論を経た末,本年9月20日から開催されるボード会議で暫定決定に至ることが予定されていたが,その予定は延期となることが見込まれている。

7月の会議ではDPへのコメントの分析

DPで示されたIASBの予備的見解は「のれんの償却を再導入せず,従来通りの減損のみモデルを維持する」というものだった。これに対しては日本から「償却を再導入すべき」との意見が発信される( No.3453・10頁 )など反対も聞かれ,議論の行く末が注目されてきた。

IASBスタッフとしては,9月20日から開催されるボード会議でボードメンバーによる暫定決定を求めることを予定していたが,この予定はどうやら延期されるようだ。

延期には,7月のボード会議での議論が影響している。そこでは,DPに寄せられたコメントに関するスタッフの分析が提示された。...