国際会計士倫理基準審議会(IESBA)は，監査人の独立性をさらに強化するため「倫理規程における報酬に関連する規定の改訂」を公表（2021年４月）し，「報酬依存度」に関する規定も改訂された。報酬依存度とは，会計事務所等の総報酬に占める特定の監査業務の依頼人等から受け取る報酬の割合を示す。監査業務の依頼人が社会的影響度の高い上場会社や大会社等（PIE）であり，報酬依存度が５年連続で15％を超える場合には，５年目の監査意見の表明後に監査人を辞任することが求められることとなった（「報酬に関するIESBA倫理規程の改訂」R410.20）。

IESBAは，PIEによる報酬依存度が15％を超える場合において無...