JICPA 会計監査在り方懇の論点受けて会長声明

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日本公認会計士協会(JICPA,手塚正彦会長)は11月15日,会計監査の在り方に関する懇談会の論点整理を受けた会長声明を公表した。示された論点( No.3531・2頁 )について,具体的な施策や取組みの検討を進め,「会計監査の品質の向上」「資本市場の信頼性の維持・向上」に貢献していくという。

監査については,監査報告書の「その他の記載内容」の追加や,監査手続に係るリスク・アプローチの強化などを盛り込んだ監査基準の改訂が行われたほか,監査に関する品質管理基準の改訂に向けた検討が進んでいる。こうした環境変化を踏まえ,適切な品質管理態勢を整備することが求められている。国際的には国際会計士倫理基準審議会(IESBA)の倫理規程が改訂され,非保証業務および報酬に関する強化等が行われた。論点整理では「監査法人の合併や交代の状況にこのルールが与え得る影響についても注視する必要がある」としている。

ほか,懇談会では,公認会計士の働き方の多様化,ITを活用した監査手法の導入,そしてサステナビリティ情報等の非財務情報に対する投資家の関心の高まりなど,昨今の環境を踏まえた検討を行う方向性が示された。会計監査の信頼性...