会計審 「監査に関する品質管理基準」の改訂,総会で承認

2023年7月以後開始年度等に係る監査から実施
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金融庁・企業会計審議会(会長:徳賀芳弘・京都大学名誉教授)は11月16日,企業会計審議会・第8回会計部会を開催した。議題は,「監査に関する品質管理基準の改訂」と「最近の会計監査・会計基準を巡る主な動向」( 2頁 )。品質管理基準の改訂については,改訂案に対する意見も踏まえ,監査部会が取りまとめた意見書が提示された。改訂内容は,国際品質マネジメント基準等を踏まえ,リスク ・アプローチに基づく品質管理システム等を導入し,監査事務所の品質管理を強化するもの。委員の承認を受け,意見書は黄川田仁志内閣府副大臣に手渡された。改訂基準の実施時期は,2023年7月1日以後開始する事業年度または会計期間に係る財務諸表の監査から(品質管理システムの評価は,改訂基準実施以後に開始する監査事務所の会計年度末日から)。

少なくとも年一度は品質管理システムを評価

改訂の主なポイントは,以下の4点である。

①リスク ・アプローチに基づく品質管理システムの導入

②品質管理システムの構成要素の変更

③監査事務所が所属するネットワークへの対応に関する規定の新設

④品質管理システムの評価に関する規定の新設

このうち,①は,リスク・アプローチ...