今回の税務研究会出版局のオススメ書籍は、『巷でよく聞く　相続・贈与のウソ？ホント！？』です。著者の市川 光大先生に、本書についてお話をうかがいました。

　 本書の構成について教えてください。

　第１章と第２章では、相続手続き、相続税、贈与税に関する基礎知識を身につけることができます。相続税について全く知識がない方でも相続税がかかるかかからないかの判断、相続税の計算体系が理解できるよう、事例を織り混ぜながら解説をしています。また、図解を中心とした解説が特徴的です。
　第３章は、雑誌やネット記事などになっているような相続・贈与のウソ・ホントについてQ＆A形式で解説しています。「養子縁組で相続税は節税できる？」「預金で残すより保険で残した方が相続税は安くなる？」「配偶者は相続後も必ず自宅に住み続けられる？」「教育、結婚・子育て、自宅購入は生前贈与の大チャンス？」など全５５問のQ＆Aが収録されています。

　 この本の読みどころは？

　一番の読みどころはこの本のタイトルにもなっている第３章の「Q＆Aで分かる　相続・生前贈与のウソ・ホント」です。「相続人」「養子縁組」「遺言」「保険」「不動産」「税務調査」「生前贈与」など相続贈与に関するキーワード別にQ＆Aをまとめているため、気になるところから読んでいただくことができます。１問あたり１～２ページ程度のボリュームで、問題・回答・解説と簡潔にまとめ、イメージイラスト付きなのでとても読みやすくなっております。執筆者は全員現場で働いている税理士ですので、決して教科書的な回答だけでなく実務での対応策などについても触れています。

　 どんな方に読んでほしいですか？

　専門家向けの本ではないので、将来の相続税対策を検討している、相続や生前贈与について正しい知識を身につけたいという方々に広く読んでいただきたいです。難解な表現ではなくわかりやすさを重視した文章と、専門用語についても随所に解説を入れているため、理解をしながら正しい知識を身につけることができるはずです。

税理士　市川 光大 あいわ税理士法人において、企業の税務コンサルティングに従事。 また、税務研究会においてセミナー講師、執筆活動でも活躍。 あいわ税理士法人 2002年11月、藍和共同事務所を母体として設立された税理士法人。多くの公認会計士・税理士を擁し、会計・税務コンサルティングをはじめ、株式公開支援、事業承継・コンサルティングや企業買収におけるデューデリジェンス業務、組織再編・連結納税支援サービスなどを提供している。 また、各種セミナーの開催・専門誌への情報提供なども積極的に行っている。