Q&Aコーナー 気になる論点(301) IFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー(2)

‐サステナビリティに連動した金融商品‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

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 国際会計基準審議会(IASB)は,2021年9月30日に,情報要請「IFRS第9号の適用後レビュー:分類及び測定」(コメント期限:2022年1月28日)を公表し,IFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビューの一環としてフィードバックを求めています。サステナビリティに連動した要素を含んだ金融資産が,償却原価により測定できるかどうかは,適用後レビューの対象となっているでしょうか。

情報要請では,サステナビリティに連動した要素を含んだ金融商品に関する情報も求めているため,適用後レビューの対象となっています。

<解説>

情報要請(1)‐概要

2014年に公表されたIFRS第9号は,2018年から全面的に適用されており,今回の適用後レビュー(PIR)における情報要請では,分類及び測定が対象であり,減損とヘッジ会計については,それらの適用の影響に関して,より多くの情報が利用可能となった時点で,別個にフィードバックを求めるとしています

情報要請(2)‐契約上のキャッシュフロー(CF)の特性

情報要請では,9つのセクションにおいて,その背景と質問を示しており,3つ目の「契約上のCF...