FASB のれんの事後の会計処理プロジェクトを取り下げ

IASBの議論注視へ
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米国財務会計基準審議会(FASB)は6月15日開催のボード会議で、約4年にわたって検討してきたのれんの事後の会計処理に関するプロジェクトをテクニカル・アジェンダ(検討事項)から取り下げることを決定した。2020年12月のボード会議で、10年を既定とした定額法によるのれんの償却再導入を暫定決定して以降、償却期間の見積りなどについて議論してきたが、「国際会計基準審議会(IASB)の議論を注視すべき」などの理由で、急遽取り下げた形だ。今回の決定がIASBの議論にどう影響するかも注目される。

投資家の懸念などを重視

FASBによるのれんの事後の会計処理に関するプロジェクトは、基準書第141号「企業結合」の適用後レビューにおいて、関係者から減損テストのコストへの懸念が示されたことに端を発している。2018年10月にプロジェクトをテクニカル・アジェンダに追加して以降、2019年7月のコメント募集文書公表を経て、2020年12月の暫定決定後は償却の再導入を前提に検討してきた。2022年5月のボード会議の時点では、表示箇所の検討まで議論が進んでいた。

ところが、6月15日のボード会議の冒頭、議長が「これまで...