DWG報告のポイント③ 四半期開示のゆくえ

選択肢には四半期決算短信の義務付け廃止も
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第3回のテーマは四半期開示。金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ(DWG)報告では、第1・第3四半期の四半期報告書を廃止し、四半期決算短信に一本化する方針が示された。一方で、開示内容やレビューの有無といった具体的な制度設計は、ほとんど決まっていない。「全てまたは一部の上場企業に対する四半期決算短信の義務付けの有無」も検討課題にあがっており、全上場企業に対する四半期決算短信の義務付けが廃止されるという選択肢も排除されていない。これらの検討課題は、引き続きDWGにおいて年末にかけて議論が行われる方向となっており、今後の動向を注視したい。

(1)背景

四半期報告制度は、2006年に法制化。2008年に四半期報告書の開示と東証での四半期決算短信の開示が始まったものの、実務負担が大きいなどといった企業の声を受けて開示内容の簡素化が進んできた。前回の2018年のDWGでは、さらなる簡素化について議論したものの見直しは先送りとなっていた。

その後、海外では米国が法令上の四半期開示を継続するものの、欧州はすでに開示義務の廃止が進み、任意開示の実務が定着しつつある。

今回、2021年10月に岸田政権...