近年、役員に業績連動報酬を導入する上場会社が多く見られる。そのうち、サステナビリティに関する取組みの一つとして、ESGに関わる「非財務指標」を算定方法に用いるケースも増えている（ No.3547・45頁 ）。

一方で、この非財務指標は、法人税法が損金算入を認めている「業績連動給与」（第34条第１項第３号）に該当するための算定指標には当たらない。そのため、非財務指標により算定した役員報酬は、原則、損金不算入とされることになる。役員報酬の制度設計時にはこの点も留意しなければならない。

法人税は、業績連動給与の支給額の算定方法の基礎とすることができる指標を①利益の状況を示す指標、②株式の市場価格の状況を示す...