消費税「インボイス制度」に係る実務上の疑問点Q&A 第3回 旅費交通費等に係るインボイス対応

 公認会計士・税理士 太田 達也

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令和5年10月1日から、消費税のインボイス制度の適用が開始されます。インボイス制度は新しい制度であり、従来の実務にない新たな対応が多く求められることになります。

本連載では、インボイス制度について、実務上問題の生じやすいテーマを取り上げていきたいと思います。第3回は、旅費交通費等に係るインボイスへの対応について取り上げます。

Q

当社は、営業社員を多く抱えており、出張も近郊から遠隔地まで広範囲に及んでいます。旅費交通費等についても、鉄道代、飛行機代、宿泊費、日当といったように、複数の費目から成っています。

インボイス制度下において、これらの旅費交通費等について仕入税額控除の適用を従来どおり受けるためには、どのような対応が必要でしょうか。旅費交通費等の支給の方法または精算の方法について、適切な対応をアドバイスしていただけないでしょうか。

A

出張旅費等については、①従業員が立替払をして、会社との間で事後に精算する場合と、②会社が従業員に実費相当分を直接支給する場合の2通りのケースがあります。それぞれのケースごとのインボイス対応を整理しておく必要があります。

1.従業員が立替払をして、会社との間で事後に...