ISSB 企業規模などに配慮した開示とする方向

公開草案へのコメント対応開始
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IFRS財団・国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は9月20日から23日にかけて、ボード会議を開催した。7月に続く第2回の会議で、8月に理事に任命された小森博司氏は今回からの参加だ。7月にコメント募集を締め切った2つの公開草案について、寄せられたコメントを受けた再検討の方向性などを議論。公開草案での開示要求に対して企業規模などに配慮した開示を求めるコメントを受け、今後、その点に対処するための建付けを検討することなどを暫定決定した。

「スケーラビリティ」問題と位置付け

会議ではまず、IFRS-S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項」(S1基準案)とIFRS-S2号「気候関連開示」(S2基準案)に寄せられたコメントを概観した。

ISSB事務局は、S1基準案・S2基準案ともに広範な支持が得られた一方で、企業規模に配慮した開示を求める声が共通していたと分析。回答者の多くが「両基準案の提案内容を適用するための、世界中の企業の能力の幅と準備について、ISSBは考慮すべき」とコメントしたと総括した。事務局はこの点を、「スケーラビリティ」の問題と位置付け、対処のための建付け...