Q&Aコーナー 気になる論点(324) 人的資本の情報開示(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 人的資本の情報開示は、今後、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)によって定められた開示基準により行うことになるのでしょうか。 |
A
2022年6月13日公表の「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告―中長期的な企業価値向上につながる資本市場の構築に向けて―」(DWG報告)では、今後のSSBJによるサステナビリティ開示の具体的内容についての検討成果などを踏まえ、SSBJがその役割を一層積極的に果たせるよう、改めてその取扱いを議論する必要があるとしています。
〈解説〉
DWG報告(1)ー概要と今後の対応
DWG報告では、「はじめに」において、企業と投資家との対話や開示実務の進展などにより、企業情報の開示、特に記述情報の開示の充実が進み、その有用性は着実に高まっていると同時に、企業情報の開示を取り巻く経済社会情勢に大きな変化が生じているとしています。
さらに、「成長と分配の好循環」を柱とする「新しい資本主義」の実現に向けた議論や、世界から人材・企業・資金を呼び込む「国際金融センター」実現に向けた取組みも進んでおり、企業情報の開示のあり方の検討や資本市場の一層の整備が求められるとしていま...
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