アップデート!非財務情報開示の今 第10回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年7月~9月の動向)

有限責任 あずさ監査法人 開示高度化推進部 小林 圭司

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1.はじめに

本連載企画「非財務情報の開示を巡る国内外の動向」では、国内外の非財務情報に関する最新動向について四半期を目途にその動向について解説を行っている。本稿では、2022年7月~9月の動向について、以下に焦点を当てて解説する。

(国内の動向)

・サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)の設立

・サステナビリティ経営に関連する報告書の公表

(国際的な動向)

・国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRSサステナビリティ開示基準(案)の審議の状況

・欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)による欧州サステナビリティ報告基準(以下「ESRS」という。)に係る公開草案の審議の状況

・金融安定理事会(以下「FSB」という。)による「気候変動による財務リスクに対処するためのFSBロードマップ:2022年度進捗報告書」の公表

なお、本文中の意見に関する部分は筆者の私見であることを予めお断りする。

2.SSBJの設立

国際的なサステナビリティ開示基準の開発等のサステナビリティ開示を巡る議論の進展を受けて、2022年7月にSSBJが設立された。SSBJは我が...