ベトナム訪問記 開国の時~OECDアジアン・ラウンド・テーブルへの参加を終えて

2年半ぶりのFace to Face!

野村総合研究所 上級研究員 三井 千絵

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日本を含むアジアの多くの国は、コーポレートガバナンス・コードを導入する時OECDのコーポレート・ガバナンス原則を参考にする。この原則は1999年に初めて公表され、2014年に一度改訂された。そして2022年10月21日まで2回目の改訂に向けた意見募集が行われていたが、この締め切りまでの最後の2日、10月20日・21日に、OECDは1999年から開催しているAsian Round Table on Corporate Governance(以下「ART」)というイベントを、ハノイで開催した。これはホスト国の金融当局との共同開催で、どこで開催しても日本の金融庁も支援している。ホスト国の金融当局(今回はベトナムState Securities Commission, 以下「SSC」)は、その前後でコーポレートガバナンスに関する進展や取組みがみられる。前記事(本誌 No.3569 参照)でも述べたように、ベトナムは2019年にコーポレートガバナンス・コードを初めて導入した。2020年のARTでそのお披露目をしたかったのだろうが、コロナで2回延期され、今年やっと実現にこぎつけた。

3年ぶりのリアル開催...