ISSB 基準最終化は2023年2Q頃か?

再審議で各論点を検討中
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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)によるIFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)策定の進捗が、当初の予定より遅れている。もともと2022年中の最終化を予定していたが、それが「2023年のできるだけ早い段階」になり、現時点では2023年の4月から6月頃がひとつの目安とみられる。ISSBでの最終化の遅れにより、日本基準について本格的な議論を始める時期も後ろ倒しになりそうだ。

依然として「今後検討」の論点も

ISSBでは現在、コメントを受けた再審議をしており、12月13日~15日にはカナダ・モントリオールでボード会議を開催した。これまで、9月の会議で整理した再審議項目を順に検討している。12月には、IFRS-S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」(S1基準案)については「価値」の定義などを含む基礎的な概念などを、IFRS-S2号「気候関連開示」(S2基準案)については温室効果ガスの排出などを検討した。

ただ、12月の時点ですべての項目の検討が終わったわけではない。例えば、S1基準案における基礎的な概念について、「企業価値」という用語の削除は決定したものの...