事例でわかる 実務で使える 税効果会計 第9回 税率差異の注記の読み方

 公認会計士 内田 正剛

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はじめに

「会計上の『利益×税率』が法人税等の額と一致しないのはなぜ?」そんな疑問に答えてくれるのが税率差異の注記です。タックスプルーフともよばれる当注記では、主な調整項目別に利益×税率による税額と実際の税額の差異とその理由を示していますが、計算方法や仕組みがわからないと分析が難しいです。そこで今回は、税率差異の注記の計算方法や仕組みを、背景知識とともに紹介します。その上で、注記事例を分析するとどのような情報が見えてくるのかを解説します。なお、法定実効税率は30%と仮定し、「税率」とよぶことにします。

なお、データベース(DB)版では、「図解で整理!税効果会計の基礎と考え方」と題して、わかりやすく簡単に税効果会計を解説しています。併せてお読みください。ともに動画でも解説していますので、記事を読みつつご視聴いただければより理解が深まります。

回数テーマ掲載号1税効果会計の決算書分析のポイント35622繰延税金資産・負債に関する注記分析のポイント35653欠損金注記の分析方法35684回収可能性の分析方法35715会社分類の推測方法35746税効果会計の監査・決算対応35777その他有価証券の含...