IASB ESG連動の金融商品に関して基準の改訂へ

IFRS第9号の「分類および測定」のPIR結果
( 04頁)
国際会計基準審議会(IASB)は2022年12月21日、IFRS第9号「金融商品」の「分類および測定」の要求事項に関する適用後レビュー(PIR)の結果を公表した。結果は、2014年に改訂したIFRS第9号について、全体として「IASBが意図したとおりに機能している」と結論付けるもの。一方で、PIRを通じて識別した「サステナビリティ(ESG)に連動した要素を含む金融資産の契約上のキャッシュ・フロー特性の評価」などの論点は、「早急に対応が必要」として既に基準改訂に向けたプロジェクトを開始している。なお、IFRS第9号の「減損」のPIRにも着手しており、2023年中に情報要請を公表する。

全体としては適切に機能

IASBでは2014年に、IAS第39号「金融商品:認識および測定」を置き換えるべく、IFRS第9号を改訂した。その後、2020年10月からPIR作業に着手。2021年9月に公表した「情報要請」(コメント期限は2022年1月まで)では、広く関係者からのコメントを募った。

情報要請では冒頭、IFRS第9号の「分類および測定」の要求事項について、「適切に機能しているか」、「財務諸表利用者に有用...