新春特別寄稿 IASBの今後の作業の主要な優先事項

国際会計基準審議会(IASB) 議長 アンドレアス・バーコウ

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はじめに

イギリスから、日本の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。2023年が皆様にとって幸多き年となることを心よりお祈りします。

2022年は多忙な年でしたが、IFRS財団全体として大きく前進した年でした。私は、1年前のこの年頭所感で望んだことが達成できたことを大変うれしく思っています。それは、日本を訪問することでした。2022年の最初の海外訪問先が日本となりました。皆様にお会いし、皆様に関係する会計事項でIASBが取り組むことができるものを詳しく知ることができました。

IASB議長に就任して1年半が経ちました。対面での対話に制約はありましたが、率直に言って、この間に、世界中のステークホルダーとの対話が中断することはありませんでした。

以下は、2022年のIASBの主な成果です。

のれんと減損

このプロジェクトは、2014年のIFRS第3号(企業結合)の適用後レビュー(PIR)から生まれました。IASBは、新しい要求事項が発効してから2年以内にPIRを実施します。PIRの目的は、新しい要求事項の適用によって生じた財務諸表の利用者、作成者、監査人および規制当局への影響が、IASBが想定したとお...