新春特別寄稿 真のグローバルベースラインの確立に向けた進捗

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) 議長 エマニュエル・ファベール

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はじめに

日本の皆様とアンドレアス・バーコウ国際会計基準審議会(IASB)議長と共に2023年を迎えることができたことを大変嬉しく思います。昨年の両審議会の成果を祝うとともに、資本市場に新たな共通言語を提供するという重要な作業を今年も継続できることを楽しみにしています。また、サステナビリティ開示のグローバルなベースラインを開発する私たちの旅程に沿って、貴重なフィードバックとサポートを提供してくださった日本のステークホルダーの皆様に心から感謝申し上げます。私たちは、2023年のG7議長国としての日本のリーダーシップに期待しています。

2022年の進捗

私は、ISSBの議長として、経済および投資に関する意思決定に資するサステナビリティ関連財務情報開示の真のグローバルなベースラインの確立に取り組んでいることを光栄に思います。過去1年間に私たちが達成した重要なマイルストーンや今後想定するマイルストーンを思い起こすと、私たちの作業は、まさに共同作業であるということをまず指摘しなければなりません。私たちは、ISSBの活動を支え、貴重なフィードバックを提供し、私たちのミッションを支持してくださる日本および...