経理部 進化論 第5回 「予算」とは戦略を定量的に翻訳したものである

~FP&Aという選択肢

グロービス経営大学院  鷲巣 大輔

( 34頁)

近年、ファイナンス人材のキャリア候補としてFP&A(Financial Planning & Analysis)に注目が集まっています。従来の経理や財務の役割を大きく超え、より経営の意思決定を支える上で重要な役割を果たすFP&Aというポジションについて、様々な企業でCFO/FP&A責任者を歴任してきたグロービス経営大学院の鷲巣大輔が詳しく語ります。

第5回では、FP&Aの一つの主要な役割である、「予算策定と、その後の予算管理」に焦点を当ててみたいと思います。

■そもそも「予算」とは何か?

一口に「予算策定」、「予算管理」といっても、企業の数だけやり方がありますので、ここで紹介することが100%の絶対解ではありません。様々な企業において予算策定・予算管理を担ってきた私自身の経験を踏まえた問題提起と捉えていただければと思います。

そもそもの話ですが、「予算」とはいったい何でしょうか?毎年の恒例行事?守らなくてはいけないコミットメント?人によって多くの答えが出てきそうです。

予算策定は一年に一度の大きな行事ですから、これを一つの独立したタスクとして捉えている方は多いと思いますが、まず強調しておきたいの...