Q&Aコーナー 気になる論点(333) わが国におけるサステナビリティ情報の開示(2)

‐SSBJによるサステナビリティ開示基準の開発‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

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 サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が2023年2月2日に公表した「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」(今後の計画)では、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が検討している以下の2つのIFRSサステナビリティ開示基準に相当する基準(日本版S1基準と日本版S2基準)の開発を行うこととしています。

・S1基準(IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」)

・S2基準(IFRS S2号「気候関連開示」)

これらの基準は、いつ頃までに確定し、いつ頃から適用することが見込まれているのでしょうか。

今後の計画では、SSBJによる日本版S1基準と日本版S2基準の目標公表時期を、2024年度中(遅くとも2025年3月31日まで)とし、3月決算企業であれば、2026年3月期に係る有価証券報告書から、早期適用が可能となる予定であるとしています。

解説

サステナビリティ開示基準(1)‐位置付け

2022年12月27日公表の金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(DWG報告)Ⅱ2.では、今後、わが国のサステナビリティ開示基準を開発し、これを...