IASB 気候関連リスクに関するプロジェクトに着手

基準の軽微な改訂などを見込む
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国際会計基準審議会(IASB)では、3月開催のボード会議で「財務諸表における気候関連リスク」プロジェクトに着手した。2021年の「第3次アジェンダ協議」において、気候関連リスクを財務諸表に適切に反映させることの重要性が指摘されたことなどを受けたもので、「維持管理」プロジェクトとして狭い範囲での基準改訂などを行う見込みだ。

第3次アジェンダ協議で高い優先順位に

第3次アジェンダ協議(2021年3月公表)は、2022年から2026年におけるIASBの活動の方向性についてコメントを求めたもので、2022年7月にコメントの取りまとめを公表した。気候関連リスクに関しては、「IFRS会計基準の一貫した適用ができない」、「財務諸表において十分な情報が開示されていない」といったコメントが寄せられ、多くの回答者が「財務諸表における気候関連リスク」プロジェクトの優先度が高いとしていた。

これを受け、IASBは同プロジェクトを「維持管理プロジェクト」のパイプライン(次の作業候補)とし、以下の3つを行うことを決定した。

・一貫性のない適用や不十分な情報に関する利害関係者の懸念の原因を調査する

・2020年11月に公表し...