経産省 役員報酬手引きに「従業員への株式報酬Q&A」を追加

( 03頁)

経済産業省は3月31日、『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』(2023年3月時点版)を公表した。同手引きは、役員に対するインセンティブ報酬(株式報酬や業績連動報酬)導入を促進する観点から2017年に作成・公表したもので、法令改正等に応じて改訂している。

今回は、昨年7月に改訂された「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」を踏まえ、従業員に自社株報酬を付与する場合の論点に関する設問(Q78~Q83)を新設し、関連する契約書や株式報酬規程の例を示している。例えば、従業員に株式報酬を発行する場合は、役員等の場合と同様に「事前交付型」と「事後交付型」がある。一方、従業員向けの株式報酬では役員等とは異なり、従業員と会社との間には雇用契約が存在するため、労働基準法上の取扱いに留意しなければならない。具体的には、通貨による賃金等を減額することなく付加的に付与されるものとするなど、労基法における「賃金の通貨払いの原則」に抵触しないように配慮する必要がある。また、会社法上は、役員等と異なり、株主総会や報酬委員会での決議が不要である点等を示...