IASB 予想信用損失モデルの成果を質問

IFRS第9号の減損に関するPIR
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国際会計基準審議会(IASB)は5月30日、IFRS第9号「金融商品」の減損規定に関する適用後レビュー(PIR)のため情報要請を公表し、意見募集を開始した。IAS第39号「金融商品:認識および測定」における「発生損失モデル」に代わって導入した「予想信用損失モデル」について、適時に信用損失の認識ができているかなどを質問している。意見募集は9月27日まで。

より適時な認識が可能に

IASBは、IFRS第9号のPIRを3分野に分けて実施しており、初回の「分類および測定」については2022年12月に完了した( No.3588・4頁 )。今回はそれに続く、「減損」に関するPIRだ。

従来のIAS第39号では、減損の客観的な証拠が存在する場合に減損損失を認識する「発生損失モデル」を採用していた。ただ、2008年に発生した国際的な金融危機下、「同モデルでは認識のタイミングが遅すぎる」との懸念が寄せられたことで、IASBは新たなモデルを検討。2014年に改訂したIFRS第9号において、「予想信用損失モデル」を導入した。

予想信用損失モデルは、信用リスクに関する見積りの変化に応じて減損損失を認識するモデルで、将来情...