緊急対談 EU指令によるCbCRの強制開示とそのインパクト

~日本企業900社の国別損益が全世界に公開へ

EY税理士法人 会長 角田 伸広
法政大学 教授 中野 貴之

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既報( No.3598・2頁 )の通り、EUに子会社等を持つ多国籍企業は、早ければ来年12月までに、進出国ごとの損益等を一般公開することになる。これまで秘中の秘とされ、税務当局にのみ開示されてきた国別報告書(CbCR)の情報が全世界に向けて公開されることになるが、欧米企業が着実に対応を進める一方、日本企業の多くは対応を進めるどころか事の重大性にすら気がついていないという。そこで本誌は、ディスクロージャーと財務会計を専門に研究する法政大学の中野貴之教授と、税の専門家でありディスクロージャーにも造詣が深いEY税理士法人の角田伸広会長をお招きし、問題の本質と日本企業への影響、具体的な対応などを聞いた。

目次1.BEPSプロジェクトとCbCR(1)BEPS1.0とCbCR導入の経緯(2)CbCR導入後のEU企業の変化2.EUによるCbCRの強制開示(1)強制開示に踏み切った背景(2)ブラックリストとグレーリスト3.緊急動向、豪州のCbCR強制開示法案4.日本企業へのインパクト(1)開示言語(2)監査(3)各方面への影響(4)特に注意すべきケース(5)税務担当者の認識(6)いつまでに、どんな対応が必要...