CPAAOB 品質管理の根拠規定や留意点の一覧を追加

2023事務年度版「監査事務所検査結果事例集」を公表
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公認会計士・監査審査会(CPAAOB、松井隆幸会長)は7月14日、2023事務年度版「監査事務所検査結果事例集」を公表した。品質管理業務の実施で数多く不備が指摘されている項目に対する根拠規定等の一覧を追加。中小規模監査事務所の改善に資するよう評価できる取組事例を充実させた。また、留意点等で図を新たに掲載した。

監査ファイル・監査調書の取扱いに注意

「監査事務所検査結果事例集」は、CPAAOBによる検査での指摘事例等を紹介し、監査品質の確保・向上に向けた自主的な取組を促すとともに監査の期待水準を示すもの。2023事務年度版は、品質管理態勢編で、業務実施にあたり数多く不備が指摘されている項目に対する根拠規定や留意点の一覧を追加。特に中小の改善に資するよう評価できる取組事例を充実させた。

例えば、近年、金融庁長官に行政処分その他の措置を講ずるよう勧告した監査事務所は、非常勤職員の割合が高い傾向がある。これに関し、評価できる取組として「監査実施者に占める非常勤職員の割合が高いことを課題として認識し、その改善策として、常勤職員の採用強化、非常勤職員の常勤化を進めているほか、従事日数が少ない非常勤職員と...