監査役協会 「グループ監査における親会社監査役会の役割と責務」に関する報告書

グループ全体の内部統制システムを監視・検証
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日本監査役協会(松野正人会長)は、「グループ監査における親会社監査役会の役割と責務」と題する報告書を10月16日付で公表している。同報告書は、グループ監査の実態や子会社における不祥事の事例分析等について、同協会関西支部の監査役スタッフ研究会が会員企業の常勤監査役にヒアリングして取りまとめたもの。親会社の監査役は、グループ会社監査役や内部監査部門、会計監査人等との意思疎通や情報交換等を行い、グループ全体の内部統制の状況等を把握すること等が求められる。

グループ監査役連絡会を設置する等の連携も

グループガバナンスの必要性に関しては、会社法や金融商品取引法のほか、コーポレートガバナンス・コード、経済産業省等が定めた「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(2019年公表)等で触れられており、監査役の活動に関しても言及されている。実務では、例えばグループ監査役連絡会を設置するなど、各社で親会社監査役と子会社監査役の連携が図られているところだ。子会社監査役は、親会社監査役や監査役スタッフ、管理部門系の部課長が兼務で選任されるケースも多いという。

この点、報告書では、「グループ監査の実態」(子...