ASBJ S&LBの基本的な会計処理は公開草案を維持

リース会計基準案へのコメント対応
( 05頁)
企業会計基準委員会(ASBJ、川西安喜委員長)は10月31日に第136回リース会計専門委員会を開催し、リース会計基準等の公開草案に寄せられたコメントへの対応を審議した。「セール・アンド・リースバック(S&LB)取引」の基本的な会計処理については、米国会計基準と整合的な取扱いとする公開草案の提案を変更しない方針が示された。

米国基準の考え方を採用

S&LB取引は、米国会計基準Topic842とIFRS第16号「リース」では会計処理が異なる。Topic842は原資産の売却と使用権資産のリースを2つの取引と捉え、売却が認められれば全額を損益として認識する。一方、IFRS第16号は、S&LBを一体の取引と捉えており、売却が認められても買手(貸手)に移転された権利に係る利得または損失の金額のみを認識する。

公開草案では、IFRS第16号ではなく、Topic842を参考に、S&LB取引の会計処理を提案している(適用指針案第51項)。例えば、以下のいずれかに該当する場合は、資産の譲渡は売却に該当せず、売手(借手)は当該資産の譲渡とリースバックを一体の取引とみて、金融取引として会計処理を行うこととしている。...