新リースの会計と税務の詳細解説 第5回 借手の会計処理③リースの契約条件の変更等

‐会計と税務の両面から考察‐

 公認会計士・税理士 太田 達也

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Ⅳ 借手の会計処理(つづき)

6.リースの契約条件の変更等

契約条件の変更に伴うリース負債の見直し等の会計処理と契約条件の変更を伴わないリース負債の見直しの会計処理の2類型がある。以下、それぞれを順番に説明する。

(1)契約条件の変更に係る会計処理

借手は、リースの契約条件の変更が生じた場合、次のいずれかを行う(会計基準 39項 )。

・変更前のリースとは独立したリースとしての会計処理
・リース負債の計上額の見直し

ただし、リースの契約条件の変更に複数の要素がある場合、これらの両方を行うことがある。これらの両方を行うことがある場合の例としては、不動産の賃貸借契約において、独立価格であるリース料によりリースの対象となる面積を追加すると同時に、既存のリースの対象となる面積について契約期間を短縮する場合が考えられる。この場合、前者について独立したリースとして会計処理を行い、後者についてリース負債の計上額の見直しを行う(会計基準 BC49項 )。

①変更前のリースとは独立したリースとしての会計処理

リースの契約条件の変更が次の(ⅰ)および(ⅱ)のいずれも満たす場合、借手は、当該リースの契約条件の変更を独立したリースとし...