会計知識録 第39回 株主優待が再燃している理由とは?
~企業の会計・財務活動を解読~
公認会計士 溝口 聖規
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はじめに
2025年3月3日、トヨタ自動車(トヨタ)が株主優待制度の導入を発表しました。トヨタにとって株主優待の導入は史上初とのことです。
最近では、トヨタに限らず、株主優待制度を新設・再開する企業が増加しています。2024年においては、例えばセブン&アイ・ホールディングス、三井不動産、北洋銀行などが導入しています。野村インベスター・リレーションズの「株主優待実施レポート」(2025年4月9日)によれば、株主優待制度を導入した企業数は2019年9月末の1,532社(全上場企業の37.2%)を境に減少傾向にありましたが、2023年から再び増加に転じ、2025年3月末には1,580社(全上場企業の35.0%)となりました。導入企業数では2019年9月以降、6年ぶりに過去最高を更新しています。
今回は、最近、株主優待制度が再び盛り上がっている理由について説明したいと思います。
〈2024年に株主優待制度の新設を公表した企業例〉
セブン&アイ・ホールディングス、三井不動産、北洋銀行、I-ne、マーキュリアホールディングス、オークファン(再開)、カワサキ(再開)など |
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