<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第141回 リース(20)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
ラーメンの替え玉
最近のラーメンのチェーン店では、ラーメンを注文した後、もう少し食べたい場合は替え玉と言って麺だけを注文することができる。ラーメンのスープをちゃんと残しておけば、もう1杯ラーメンを食べたとほぼ同じような満足感を味わうことができるので、経済的に大変お得である。ただ、1杯目を食べ終えた際にスープを飲み切ってしまっていれば、替え玉をしても、麺だけしか出てこないので、味のない焼きそばのようになり、食べられはしない。替え玉をするかしないか、1杯目を食べ始める時から、ある程度心づもりをしておいた方が、トータルでは美味しく食べられる。
ラーメン1杯の提供価格が1,000円だとすると、一般的な原価は300円程度だと言う。従い、原価率は30%位である。ところが麺だけに限って言うと、原価は30円位なので、仮に替え玉の値段150円だと、原価率は20%程度で、利益率は高い。しかし食べる方は、ラーメンを2杯食べたような気分になるので、2,000円のものが1,150円になったような気がして、非常に得した気分になる。替え玉ビジネスは、店にとっても、お客にとっても、win-winの関係なのである。
ただ、ラ...
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