新リースの会計と税務の詳細解説 第9回 サブリースと転リース

‐会計と税務の両面から考察‐

 公認会計士・税理士 太田 達也

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Ⅵ サブリースおよび転リースの取扱い

1.サブリース取引とは

「サブリース取引」とは、原資産が借手から第三者にさらにリース(以下、「サブリース」という)され、当初の貸手と借手の間のリースが依然として有効である取引をいう(図表43)。以下、当初の貸手と借手の間のリースを「ヘッドリース」、ヘッドリースにおける借手を「中間的な貸手」という(適用指針 4項 (12))。

【図表43】サブリース取引

2.サブリースの基本となる会計処理

(1)中間的な貸手の会計処理

ヘッドリースの貸手およびサブリースの借手については、会計基準におけるそれぞれ貸手および借手の会計処理を行うため、特に論点はない。会計処理が問題となるのは、中間的な貸手についてである。中間的な貸手は、ヘッドリースについては借手の立場、サブリースについては貸手の立場となり、会計処理については次のように定められている。中間的な貸手は、ヘッドリースとサブリースを2つの別個の契約ととらえて、借手と貸手の両方の会計処理を行うという考え方に基づいている。

具体的には、サブリース取引では、中間的な貸手は、ヘッドリースについて、借手のリースの会計処理を行う。また、サブリ...