経理の1年 【ミドル編】7月

IS経理事務所 代表 葛西 一成

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はじめに

本連載では、事業会社で働く経理パーソンの1年を追っていきます。前回( No.3719・8頁 )では、青山さんが親会社へ出向することになり、子会社において業務の引継ぎを行う大変さを経験しました。出向後は連結決算業務の担当として、過去に行われた処理の確認を行いましたが、想定以上にそれらの処理が難しく、これから担当者として連結決算をやっていけるのか不安になりました。

そして今回の青山さんは、引き続き連結決算の実務で苦労しつつも、少しずつ連結処理の理解を深めていきます。また新たに受講する夜間の決算実務講座でスキルアップを目指していきます。

それでは、中堅経理パーソンとして成長していく青山さんの1年をお楽しみください。

1.初めての連結決算の実務で苦戦

青山さんが子会社から親会社へ出向して、最初に担当することになった連結決算業務。連結決算資料のファイル一式を前に、「まずは前期の連結処理を把握しておこうか」と意気込んでいました。ファイルを開くと、連結精算表を筆頭に、資本連結、損益取引消去、債権債務消去、未実現利益消去といった連結消去・修正仕訳が種類ごとに綴じられています。「債権債務の相殺消去なら、なん...