M&Aの経理実務を時系列で理解する 第2回 M&Aのスキームとその選択及び会計処理
株式会社Stand by C 公認会計士 齋藤 哲
今回(第2回)は、M&Aについて代表的なM&Aの形態・手法(スキーム)を紹介し、それらの中から最も適当なスキームを選択する際に検討すべきポイント及び会計処理のイメージについて説明する。
1.M&Aの形態・手法(スキーム)
M&Aは、Mergers(合併) & Acquisitions(買収)の略であるが、その形態・手法(スキーム)には様々なものがある。それぞれのスキームの専門的な解説は他に譲ることとするが、M&Aの代表的なスキームについて、M&Aの目的やその実行後の姿から以下のように整理できる。
(1)買収対象となる会社または事業を自社の中に取り込みたいケース
買収対象となる会社または事業を自社の中に取り込むM&Aのスキームとして、①吸収合併、②吸収分割、③事業譲渡、の3つが挙げられる。
①吸収合併
吸収合併 ① は、買収側が存続会社となり買収対象となる会社を消滅させて一体化するM&Aのスキームである。吸収合併では、存続会社が消滅会社の株主に株式を交付する株式対価によって行われることが通常である。
②吸収分割
吸収分割は、事業の全部または一部を分割して他の会社に承継させる会社分割の一形態②である。分割の対...
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