IFRSをめぐる動向 第170回 「持分法」プロジェクトの最近の動向(2024年9月公表の公開草案における提案の概要、公開草案に寄せられたフィードバック及びその後の暫定決定)
PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 村上 彩
Ⅰ. はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、「持分法」プロジェクトについて、2024年9月に公表された公開草案「持分法会計-IAS第28号『関連会社及び共同支配企業に対する投資』(202x年改訂)」における提案の概要、提案に対して寄せられたフィードバック及び最近の暫定決定について説明します。「持分法」プロジェクトの過去の経緯の詳細については、本連載の 第159回 (No.3642)の解説をご参照ください。
なお、本稿の内容は今後のIASBの討議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
Ⅱ. 公開草案の経緯・概要等
IASBは「持分法」プロジェクトの目的を、持分法会計の適用上の疑問点に回答し、実務の不統一を減少させることとしています。公開草案では、その目的を踏まえ、IAS第28号の修正案として持分法適用に関する疑問点への回答を示しています。公開草案において示された、修正案の主な内容は下記の通りです。
(1)関連会社との...
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