IFRSをめぐる動向 第171回 公開草案「引当金―的を絞った改善(IAS第37号の修正案)」の再審議の状況
PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 浅井 麻菜
1.はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。IASBは2024年11月に、公開草案「引当金―的を絞った改善(IAS第37号の修正案)」を公表しました(コメントの募集は2025年3月12日で終了)。現在、IASBでは公開草案に寄せられたフィードバックを踏まえた再審議が行われています。今回は、公開草案の概要を振り返るとともに、公開草案に寄せられたフィードバックの主な内容と、再審議の状況について紹介します。なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
2.公開草案の概要
公開草案では、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」(以下、「IAS第37号」という)の3つの側面について的を絞った改善を行うことが提案されています。それぞれの主な提案内容は以下のとおりです。
【図表1】公開草案の主な提案内容
3つの側面主な提案内容(1)負債の定義および現在の義務という認識規準●負債の定義および引当金の認識規準の1つである現在の義務についての文言を「概念フレームワーク」と...
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