2025年12月期・2026年3月期IFRS決算Q&A 前編 強制適用となるIFRS会計基準等

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 石原 宏司

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本稿では、IFRS会計基準適用企業の2025年12月期・2026年3月期決算 において強制適用される基準及び公表済未発効の基準等を紹介します。また、IFRS会計基準ではないものの、IFRS適用企業の決算に影響する可能性があるIFRS解釈指針委員会(以下、「解釈指針委員会」)が公表するアジェンダ決定について説明します。なお、11月28日に公表された、「財務諸表における不確実性に関する開示」(IFRS第7号、IFRS第18号、IAS第1号、IAS第8号、IAS第36号及びIAS第37号の設例の修正)について、詳細の解説を、本連載の後編(1月中に掲載予定)に予定しています。なお、文中の意見に関する記載は、筆者の私見であり、筆者の所属する法人の見解ではありません。

Ⅰ.IFRS適用企業の2025年12月期・2026年3月期に強制適用となる基準

Q1 IFRS適用企業の2025年12月期・2026年3月期に強制適用となる基準について教えてください。

2025年12月期・2026年3月期に強制適用となるIFRS会計基準は表1のとおりです。

【表1】2025年12月期・2026年3月期に強制適用となるIFR...