<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第150回 失われた40年(2)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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「22才の別れ」

「22才の別れ」は、フォークグループのかぐや姫のメンバーであった伊勢正三さんが作詞・作曲した作品である。

この歌は、ある女性が22歳の時に、17歳から交際を始めた男性に対して一方的に別れを告げる歌である。お見合いをして、相手が決まってしまったので、そちらを選びますという内容なのだが、印象的なのは「目の前にあった幸せにすがりついてしまった」という歌詞である。この楽曲がヒットしたのは1975年頃である。当時の女性の結婚適齢期は22歳から24歳頃までとされていて、クリスマス・ケーキと言われており、若い女性には、早く結婚しなければ売れ残ってしまうという焦りがあった。

その焦りの根本原因は、女性の就職難であった。当時の日本企業の多くは女性を企業の戦力とは考えていなかった。女性の就職は、結婚前の腰掛け就職であると決めつけ、3年程度で退職をすることを前提に雇用体系が組まれていた。お茶汲み要員とも言われた。

筆者が大学を卒業したのは1981年で、この曲がヒットした頃よりも5、6年後であったが、女性に対する雇用環境はあまり変わっていなかった。私の大学は関西圏の国立大学だったが、ひとつ特徴があっ...