「もしも」に備える~会計不正発生から発覚後までの実務対応~
島田法律事務所 弁護士 沖田 美恵子
Ⅰ.はじめに
近時、世間を騒がす会計不正の発覚が相次いでおり、会計不正の件数自体も増加傾向が顕著である。例えば、日本公認会計士協会は、2018年以降、「上場会社等における会計不正の動向」(以下「動向報告書」という。)を毎年公表しているが、その2025年版によれば、2025年3月期に会計不正を公表した上場会社等は56社であり、2024年は45社、2023年は36社、2022年は33社、2021年は26社と、ここ数年は右肩上がりに増えている。
また、証券取引等監視委員会(以下「SESC」という。)の発表資料によれば、2025年1月から12月末までの間の開示規制にかかる処分状況(ただし大量保有報告書不提出等の株主に対する処分を除き、有価証券報告書等虚偽記載等の開示企業に対する処分のみを算出対象とした)は、課徴金納付命令勧告が11件、刑事告発が1件となっている。過去5年間の勧告又は刑事告発の件数は【図表1】のとおりであり、2025年は過去5年で最多の処分件数であったことが分かる。
【図表1】SESCによる処分状況(件数)

このような状況下、金融庁においても、金融機関において粉飾決算を見抜けず融資を行っ...
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